なぜ現金の準備が必要なのか
中国旅行では、現金だけに頼る必要はありません。ただし、現金をまったく持たずに出発するのもおすすめできません。基本の支払い方法については、中国の支払い方法ガイドと中国旅行にいくら現金を持っていくべきかをあわせて確認してください。到着後にいつ現金を引き出し、支払いを試すべきかは、中国到着後24時間のチェックリストで手順を確認できます。
中国では、世界でもほかにあまり例がないほど速く、徹底的にモバイル決済が普及しました。旅行者にとっては、少し不思議な状況です。街の多くの場所ではQRコード決済が前提になっている一方、紙幣も現在なお正式な支払い手段であり、状況によっては現金しか使えないことがあります。
2026年現在も、中国で現金を使うことはできます。ただし、「使える」ことと「どこでも簡単に使える」ことは別です。現金が役立つ場所と、かえって支払いに手間取る場所を知っておけば、レジで店員が釣り銭を探し続けたり、支払いを断られて立ち往生したりする事態を避けやすくなります。
このページでは、中国旅行で現金が断られやすい場面、現金が本当に便利な場面、そしてタクシーや地方の小さな店で困らないための紙幣の持ち方をまとめます。
まず知っておきたい基本ルール
中国の現金事情を理解するには、いくつかの前提があります。
現金は法定通貨であり、建前上、受け取りを拒否することは認められていません。 中国人民銀行はこれまで、店舗や事業者は人民元(RMB、元とも呼ばれます)を受け取らなければならないと繰り返し注意喚起してきました。
ただし、実際の対応にはばらつきがあります。1週間に一度も紙幣を扱わない店では、釣り銭やレジそのものを用意していないことがあります。そのため、「現金は使えません」と言われた場合でも、現金を明確に拒否しているというより、「現金で処理できる体制がない」という意味であることも少なくありません。
旅行中に実際によく見る人民元の額面
- 紙幣:1元、5元、10元、20元、50元、100元
- 硬貨・小額紙幣:1元には硬貨と紙幣があり、角(jiao)の0.1元硬貨と0.5元硬貨もありますが、旅行中に必要になる場面は多くありません
一般的に最も大きい紙幣は100元札です。100元札は高額な支払いには便利ですが、小さな店では釣り銭を用意できないことが多く、最も扱いに困りやすい額面でもあります。
大きな店舗やスタッフのいる施設では、現金を受け取り、釣り銭を渡してもらえる可能性が高いでしょう。一方、小規模な店、自動精算の設備、店員が一人だけの営業形態では、現金での対応が難しくなります。この違いを覚えておくと、中国で現金が使えるかどうかをかなり正確に判断できます。
現金を使えることが多い場所
- 銀行、ホテル、空港のカウンター
- スーパーマーケット、コンビニチェーン(セブン-イレブン、ファミリーマート、現地チェーン)
- 登録タクシー(現金の受け取りが義務付けられていますが、運転手が不満を示すことはあります)
- 鉄道駅の切符売り場、スタッフがいる観光施設の窓口
- 多くの都市にある伝統的な市場、個人経営の小さな食堂、屋台
現金を断られたり、支払いに手間取ったりしやすい場所
- セルフサービスの券売機や無人レジ
- 一部の流行しているコーヒーチェーン、アプリ中心のレストラン
- シェアサイクル、多くの自動販売機、係員のいない地下鉄改札
- フードデリバリー、テーブルのQRコードを読み取って注文するサービス
- いつの間にかキャッシュレス運営に移行した高級店
中国旅行での現金の使い方
現金は、毎日の支払いをすべてまかなうメインの手段というより、信頼できる予備手段として考えると使いやすくなります。日常の支払いの大部分は、外国発行カードにも対応するようになったAlipay(支付宝)またはWeChat Pay(微信支付)で処理できます。
一方で、現金が必要になる場面は残っています。スマートフォンの電池が切れたとき、トンネルや地方の谷間で通信できないとき、登録したカードが決済で弾かれたとき、店舗側のQRコード読み取り機が故障しているときなどです。こうした状況では、少額の現金があるだけで移動や買い物を続けられます。
まず現金を手に入れる方法
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街中の独立系ATMではなく、銀行のATMを使う
中国銀行(Bank of China)、中国工商銀行(ICBC)、中国建設銀行(China Construction Bank)のATMは、海外発行のVisaやMastercardに対応していることが多く、旅行者が現金を引き出す場所として比較的頼りになります。できれば銀行支店の近くで、日中に引き出してください。カードがATMに取り込まれた場合でも、支店に相談しやすくなります。
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100元札が出てくる前提で考える
ATMでは、ほとんどの場合100元札が出てきます。これは現金を手に入れたという意味では便利ですが、そのままでは小銭ならぬ小額紙幣の不足につながります。100元札を持っていることと、実際に少額の支払いがしやすいことは別です。
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旅行期間と旅のスタイルに合わせて必要額を決める
旅行日数や旅行のスタイル別の具体的な人民元の金額については、中国旅行にいくら現金を持っていくべきかを参照してください。必要以上に大量の現金を持ち歩くより、モバイル決済を基本にしながら、使いやすい額面を含む予備現金を準備する考え方が現実的です。
大きな紙幣を使いやすい額面に替える
中国旅行で見落とされがちなのが、100元札を細かくする作業です。たとえばタクシー料金が18元なのに、財布の中が100元札ばかりという状態では、現金を持っていても支払いに困ります。
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スタッフのいるスーパーやコンビニで小さな買い物をする
旅行の早い段階で、スーパーやコンビニチェーンに入り、100元札で水などを購入します。大手チェーンは釣り銭を多めに用意していることが多く、100元札を出しても対応してもらいやすいでしょう。
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ホテルのフロントで両替を相談する
ホテルのフロントに、100元札を細かくしてもらえるか、複数の額面に替えてもらえるか尋ねてみてください。特に中級以上のホテルでは、手伝ってもらえることがあります。
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銀行窓口で小額紙幣を指定する
銀行の窓口では、引き出す現金を10元札と20元札中心にしてほしいと伝えられます。英語で説明する場合は、tens and twenties、つまりRMB 10とRMB 20が欲しいと伝える方法があります。
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大きな紙幣は大きな店で、小さな紙幣は小さな店で使う
10元札と20元札は、タクシー、市場、地方の小さな店のために残しておきましょう。100元札は、釣り銭を出しやすい大規模店舗やチェーン店で使うと、手元の紙幣を整えやすくなります。
タクシーと地方では小額紙幣が重要
登録タクシーは現金を受け取る義務があります。ただし、短距離の料金に対して100元札を出すと、運転手が釣り銭を持っていないことがあります。また、モバイル決済を促すために、現金では払えないと主張する運転手がいる場合もあります。
タクシーに乗る日は、10元札と20元札を数枚まとめて持ち、できるだけ料金に近い金額を支払えるようにしておくと安心です。現金が特に役立つのは、地方の小さな町や遠方の景勝地です。このような場所では、現金を受け付ける場面がむしろ増える一方、モバイル決済に必要な安定した通信が使えないことがあります。都市部の感覚だけで判断せず、地方へ移動する日は紙幣を多めに用意しておきましょう。
困ったときの対処法
店員に現金を受け取ってもらえません。
まずは落ち着いて、持っている紙幣を見せてください。それでも対応できない場合、QRコードを使うよう案内されたり、隣の店で両替や支払いを手伝ってもらうよう勧められたりすることがあります。少額の買い物であれば、その場で強く言い争うより、別の支払い方法や近くの店を探したほうが早く解決することがほとんどです。
100元札を誰にも崩してもらえません。
最寄りのコンビニチェーンかスーパーマーケットに行き、水のボトルなどを購入しましょう。大きな店舗では釣り銭を用意している可能性が高いため、数枚の小額紙幣を受け取れるはずです。小額紙幣が手に入ったら、タクシーや市場用として財布の別の場所に分けておくと、使い切りにくくなります。
ATMでカードが拒否されました。
すぐにカード自体が使えないと判断せず、別の大手銀行のATMを試してください。出発前には、自分の銀行に旅行日程を知らせておきましょう。海外での現金引き出しが不正利用と判定され、取引を止められる可能性を減らせます。また、予備として2枚目のカードも持っておくと、1枚目が使えないときに対応できます。
偽札が心配です。
通常の支払いで流通している偽造100元札は存在しますが、一般的な取引で頻繁に遭遇するものではありません。現金は路上の両替商ではなく、ATMや銀行から入手してください。入手先を選ぶだけで、偽札に関するリスクのほとんどを避けられます。
スマートフォンの電池が切れ、現金もありません。
この状況に備えるため、少額の紙幣を通常の財布とは別のポケットやバッグに入れておきましょう。少なくともホテルまでタクシーで戻れる程度の現金を、日常的に使うお金とは分けて保管するのが実用的です。スマートフォンを使った決済ができないときでも、帰路を確保できます。
2026年の中国旅行で現金を持つときの最終チェック
2026年の中国では、現金は時代遅れの支払い手段ではありません。ただし、旅行中のすべての支払いを現金だけで済ませるための方法でもありません。現金は法的に有効で、人がいるカウンターではほぼどこでも使えます。特にタクシー、地方の店舗、通信やスマートフォンに問題が起きたときに、現金の価値が高まります。
日常の支払いをスムーズにするため、まずAlipayまたはWeChat Payを設定しておきましょう。そのうえで、現金はおおよそ500〜1,000元を目安に用意し、10元札と20元札を多めにしておくと使いやすくなります。
到着後、早い段階で100元札をスーパーマーケットやホテルのフロントで細かくしてください。10元札と20元札はタクシーや市場、地方の店のために残し、緊急用の現金は通常の財布とは別に保管します。大きな紙幣を持っているだけで安心するのではなく、実際に支払いに使える額面へ整えておくことがポイントです。
この準備をしておけば、モバイル決済が問題なく使える日はその便利さを活用でき、スマートフォン、通信、カード、店側の設備のいずれかに問題が起きた日には現金で対応できます。
FAQ
中国では現金だけで旅行できますか?
現金だけで対応できる場面は多く、銀行、ホテル、空港のカウンター、登録タクシー、有人の切符売り場、伝統的な市場や小さな食堂などでは現金が役立ちます。ただし、セルフサービス機器、無人レジ、シェアサイクル、フードデリバリー、テーブルのQRコードから注文する店では、現金が使えないか、支払いに手間取ることがあります。AlipayまたはWeChat Payも用意し、現金と併用するのが現実的です。
中国旅行には何元くらい現金を持っていけばよいですか?
目安は500〜1,000元です。必要な金額は旅行日数や旅行スタイルによって異なるため、詳しい条件別の金額は中国旅行にいくら現金を持っていくべきかで確認してください。現金を用意する場合は、100元札だけでなく、10元札と20元札を中心に持つことが重要です。
100元札しかATMから出てこない場合はどうすればよいですか?
スタッフのいるコンビニやスーパーマーケットで、飲み物などの小さな買い物をしてください。ホテルのフロントで両替を相談する方法もあります。銀行窓口では、10元札と20元札での引き出しを希望すると伝えられます。タクシーや地方の店では100元札の釣り銭がないことがあるため、旅行の早い段階で紙幣を細かくしておきましょう。
タクシーで現金は使えますか?
登録タクシーは現金を受け取ることが義務付けられています。ただし、運転手が短い距離の料金に対する100元札の釣り銭を持っていないことがあります。料金に近い金額を支払えるよう、10元札と20元札を数枚用意してください。運転手がモバイル決済を促し、現金を使えないと主張する場合もあります。
現金はどこに保管すべきですか?
普段使う財布とは別に、少額の紙幣をポケットやバッグへ分けて保管してください。スマートフォンの電池切れや決済カードの不具合が起きたときに、ホテルまで戻るタクシー代として使える緊急用の現金を残しておくと安心です。

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